翌朝ホールで朝ご飯を食べた。
紙を草の茎で縫い合わせたお皿にご飯とカレーを盛ってくれる。
右手だけで食べるのにもすっかり慣れた。
窓の外ではサルが何かおこぼれをくれないかと中を見ている。
庭には孔雀がゆったり歩いている。
「平和」
静かなアシュラムに“主”はいない。
でも穏やかで上質の安らぎがアシュラム全体に満ち満ちていた。
食事の後、姉妹の部屋を訪れて、改めてお礼を述べる。
意外だったのだが、ふたりはもう今日旅立つと言う。
本当の目的地はシュリオーロビンドという人のアシュラムで
滞在することなのだそうだ。
その途中にあるラーマナアシュラムへは1泊だけの予定だという。
出発前にまた挨拶にくることを伝え、私は部屋に戻った。
簡素だが一人部屋を与えてくれた。
隣には韓国人の若い女の子がいたが、
これからドライブだということで早々に遊びに出かけてしまった。
もうひとつの隣の部屋にはインド人女性が滞在している。
50代前半くらいのやさしそうな人だ。
部屋にはドアの内側に網戸があって、鍵もかけられる。
あついのでドアは開け放ち、網戸だけしめていたのだが、
ふと気が付くと、お隣のインド人女性がにこやかに立っていた。
「COME」と言ってにっこり微笑みながら手招きする。
アルナさんというその女性は自分の部屋に私を招きいれてくれ、
私にいろいろお話をしてくれ、楽しい時間を持つことができた。
そろそろ姉妹の出発の時間だ。
アルナさんにしばしいとまを請い、再びふたりの部屋へ。
お姉さんが言った。
「事務所の方はラーマナマハリシの甥っ子さんらしいわよ。」
「へぇーーー。そうなんですか!」
「私はラーマナマハリシにはあまり興味がないけれど。
これから行くオーロビンドのところへは何度も行っているの。
すごくキレイでいいところよ。良かったら行ってみたら。
あ、それからその甥っ子さんがあなたは英語ができないようだから
いろいろ教えてやってほしいと言ってたわ。」
(-_-;)
そう言うと、いろいろアシュラムの細かい決まりを教えてくれた。
部屋を出て、二人を見送ろうとしていた時だった。
事務所の甥っ子さんが私たちめがけて走ってくる。
何かをお姉さんに言っている。・・・笑顔だ。
お姉さんが訳してくれる。
「今、あなたからの手紙が着いたって!
好きなだけ滞在していいって伝えてやってほしいって」
それを私に告げ、姉妹は旅立って行った。
色々なことのあまりのタイミングの良さに、
この旅で出会った人たちやその出会いをもたらした何かに対して、
感謝の気持ちでいっぱいになる。


