国内便で南インド中心部にあるバンガロールに到着。
オートリキシャーという屋根つきのバイクタクシーに乗って市街地へ行ってもらう。
運転しているおじさんにお薦めのホテルを教えてもらい、そこまで行ってもらった。
バンガロールの飛行場の出口で客引きしている人たちは、なんだかちょっと
ワルい人の匂いがしたので私は大きなリュックを背負いながら
ヨタヨタと遠くの道まであてもなく歩いて行ったのだ。
そこで声をかけられて乗ったのがこのおじさんのオートリキシャーだった。
はじめは断ったが、なんとなく自分の直感がOKを出したので乗せてもらう。
(暑いし歩き疲れてただけかな?(*^-^*)
とにかくぼったくられるでもなく、すごく便利な場所にダイレクトに行ってくれた。
しかもホテルはリーズナブルながら綺麗だ。
フロントでチェックイン。
緊張がほぐれて、ホテルの従業員の方たちと一緒に写真をとったり、
楽しくおしゃべりしていた。
・・・と、そこへ40代後半くらいのすごく品のいいインド女性が近づいてくる。
「あ、うるさかったかな」(^^;
なんて思いながら、微笑みをたたえた知的な顔から目がそらせない私。
「今偶然お話をお聞きしてしまったのですが、
ティルバンナマライへいらっしゃるのですか?」
うっとりするような落ち着いた声。
なぜかこみ上げるような喜びと驚きを感じ、子犬がしっぽをふるように
「はい、はい、そうです!!」と答える私。
「ラーマナアシュラムへ?」
「はい、はい!」
「では、お願いがあるのですが。そこにいる私の友人に手紙を渡していただけませんか。
私は明日イギリスへ行きます。今アシュラムにいる友人へ手紙を書いていたのですが、
インドは郵便事情が悪いので、とても時間がかかるのです。
あなたが渡してくだされば助かるのですが。すぐに向かわれるのですか?」
なんだろう、この優雅さ。若いわけでもなく、特にお金持ちそうというわけでもない。
綺麗だけれど飛びぬけた美人というほどでもない。
なのに圧倒されるような魅力、気品、溢れるような知性、品性。
やさしやと凛とした厳しさがにじみでている微笑。
一瞬でその女性にくぎ付けになってしまった私は、自分の予定を話した。
「あ、明日からはプッタパルティへ行き、1週間くらい滞在する予定です。
ティルバンナマライへはその後行くつもりなんです。」
「ああ、そうでしたか。それなら、ごめんなさい。郵便の方が早そうです。どうもありがとう。」
「あ、、お役に立てなくて、すみません!」
みたいなやりとりがあって、女性は去って行った。
一瞬予定を変えようかと思ったほど、役にたてないことが本当に残念だった。
でも、ポールブラントン氏のようにラーマナ・マハリシのところは最後でなければ、
この旅の意味がない。
これからはじまる日々に胸をときめかせていた私は、すぐに女性のことは忘れ
ホテルの部屋に荷物を置いて、意気揚揚とさっそくバンガロールの街を探検しに
出かけたのであった。
この日の出会いが後に私に驚きと感動を与えてくれるなんてまったく知るよしもなく。


