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13時間列車の旅(x_x) 2

ダブルブッキングのおかげ?か、

変更してもらった席のまわりのインド人たちは親切な人ばかりだった。

くだものを次々に分けてくれたり、いろいろ話をしてくれた。


さて、目的地はまだまだはるかかなただということはわかってはいたが、

そこへ着いたかどうかをどうやって知ればよいのだろう。

親切なおじさんたちに相談してみると、私の行き先より先に行くので

そこについたら教えてくれるという。(*^-^*)

すっかり安心してぐっすり眠りについた私だった。

目覚めたときはすっかり朝になっていた。

寝台車だった電車もいつのまにか通勤電車に早代わりしていたようで、

寝台車の上段のベッドには、これでもか!っていうほど人が座っている。(^^;)



私の前に座った女性がいきなり葉っぱのつつみをひらいて食事をしはじめた。

「何ですか?」と質問してみると

「朝のお弁当よ。食べる?」

と言ってくれた。

銀行にお勤めだという。

当時旅行者でしかなかった私はこれから仕事をする人の朝食を、少量とはいえ

奪うのことに後ろめたさがあり、残念ながら辞退したが、すごくおいしそうだった。

でも朝の満員電車でお弁当たべるっていうのがおもしろい。

(しかもそれがすごくキレイな若い女性だからなおさらビックリ)



通勤の人たちをどんどん降ろして、さらに電車は南へ向かった。



途中で車内はガラガラになってきた。

駅に止まるたびに揚げパンみたいなものややコーヒー、

チャイなどの物売りが車内を行き来する。

それだけなら普通の風景。

でもここはインドだ。

物売りだけではなく“物乞い”さんも車内を闊歩する。

ある駅で両足のない人が両手を器用に使って歩き、車内に乗り込んできた。

そして各座席を物乞いしてまわっている。

それが別に普段となんの変わりのない様子で、だれも何も反応しない。

いくらかのお金をあげる人もいれば、まったく無視する人もいる。


お互いにあまりにも普通なのでそれは一つの「職業」のようだ。

いや、実際その人にとってはお金を得る手段という意味では物乞いは職業だろうし、

足がないことは“セールスポイント”なのかもしれない。

それほど、ドライな感じだった。


すごく不自由な身体で、堂々と「お金を入れろ」と

茶碗を差し出す男性を目の前にして私はびびっていた。


お尻から下がないことにびびったのでは、ない。

その男性がまったく、引け目を感じていたり、媚を売ったり、

同情を引こうとしている様子がないことに動揺してしまったのだ。

「大変でしょう」

「かわいそうだ」

という自分の固定概念がぼろぼろと崩れていく。

虚勢をはっている感じでもなく、人生を嘆いている感じもしない。

その人からはただ淡々と毎日を生きる職業人のプライドのようなものが

漂っていて、改めて自分の小ささに打ちのめされる。


物事を物事のまま受け止める。受け入れる。


そのことの難しさを改めて感じ、

いかにいろいろなことに自分の感情や反応を差し込んでいるのかに驚き、

この国の懐の深さを知った気がした瞬間だった。

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